喜多村和之『学生消費者の時代』(玉川大学出版部)
私が敬愛する喜多村和之さんの本から始めてみたい。
今日アメリカの大学の収入源のなかで、政府の援助や公費ではなく、私的財源に基づく寄付金の占める比率は四・八%(一九八〇−八一年度)と、金額的には大きいものではない。
隔世の念を禁じえなかった。
『学生消費者の時代』の初版が出版されて三十数年。たかだか三十数年の間にアメリカの大学はかくも劇的な変貌を遂げていたのか、と。その意味でこれは古い本である。
バークレイでは、ウィークデイは毎日午後一時からキャンパス・ツアーがある。大学の正門にあたるセイザーゲートの手前のスチューデント・ユニオンの建物前から出発して、約一時間半あまりキャンパスの要所要所を見学する。もちろん無料で、観光客や外国人学者や留学生のなかにまじって、バークレイ志望者らしい高校生たちが(中略)ぞろぞろとついてゆく。
変わるものもあれば、変わらないものもある。
カリフォルニア大学バークレイ校、通称「UCバークレイ」のウェブサイトを覗いてみるといまもこのツアーがあることを知ることができる。
https://visit.berkeley.edu/campus-tours/guided-walking-tours-2/
世界の裏側でこの小さなキャンパス・ツアーがほとんど毎日、営々と続けられてきたことを思うと小さな感動がある。
英語が不得手でも、これなら参加して見聞を広めることができそうだ。私は大いに旅情をかきたてられた。
オススメ度:★★★☆☆
- 作者: 喜多村和之
- 出版社/メーカー: 玉川大学出版部
- 発売日: 1996/06
- メディア: 単行本
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